きみのあじさい

君が大事にしていた庭のあじさい。
去年はあんなにキレイに咲いていたのに、今年は途中で枯れてしまったんだよ。
虫がついていたみたいなんだ。気づいていれば、ちゃんと咲いたかもしれないのにね?
君の時と同じだね。気づいたときには、もう手遅れ。
どうしてもっと早く……なんて悔やんだって、何の意味もない。

君は真っ青なあじさいが好きだって言っていたけれど、この辺りじゃどうしてだか青いあじさいは君のだけ。仕方なしにとなりの家からもらったあじさいは、こんなに鮮やかな紅なのにね?
来年は、きっとキレイな青いあじさいが咲くように。
いつ君が帰ってきてもいいように、あじさいを飾っているよ。
だから、ちょっとだけ。
昔みたいに、笑って見せて。

相変わらず季節感がないですが、あじさい。
自分も青い色のほうが好きです。
ちなみに話は花言葉の「辛抱強い愛情」から。

2004.7.31